独自の栽培方法で生産した、形が大きく風味豊かな「石畳栗」をブランド化しようと、石畳の農家が動き出す。
雇用拡大にも繋げたいと山田さんが熱い想いを話す。
独自の栽培方法で生産した、形が大きく風味豊かな「石畳栗」をブランド化しようと、石畳の農家が動き出す。
雇用拡大にも繋げたいと山田さんが熱い想いを話す。
毎年9月頃、石畳のあちこちの山間で栗が実り、収穫期を迎える。昼夜の寒暖差により生まれる朝霧が、良質なデンプン質を出し、風味豊かな大きな栗へと育つ。いま石畳では、年間約70トンという生産量を活かしてブランド化を推進し、6次産業化によって収益向上と雇用拡大を目指そうと動き出している。
農業協同組合の職員として農業に携わっていたことや、実家が兼業農家であることもあり、2017年3月末で職場を退職。
若い人が農業を目指していけるよう、栗生産の専業農家の道を選ぶ。石畳地区協議会が目指すのは、自分たちで価値を作り出し、自分たちで売っていくというスタンスを作り上げること。どんなにいいものを作っても、そこに付加価値が認められなければ、収入にならず、やりがいもなくなる。
そうなると若い人たちは外で就職をせざるを得ない。石畳に魅力のある仕事があれば、雇用に繋がるのではないか。ならば地域のものを活かしたい。
たどり着いた先は、栗生産であり栗加工であった。元になる栗の価値をあげ、ここでしか採れない「石畳栗」を目指し、加工販売までをトータルして行うことで、農業以外の新たな雇用も生み出せる。人口約300人を守り、そして増やしていくという想いで、石畳の人々が動いている。
愛媛県は全国で栗の生産量が第3位であり、石畳は、地区としては県内で一番の生産量を誇る。良質な栗が育つ環境の石畳ではあるが、特化したものはない。また生産者によって栽培方法が違うこともあり、いい栗が育っても名前がつけられない。そこで石畳の栗をブランド化するために、高知県の四万十で栗の栽培指導をしている伊藤直弥さんに指導してもらい、今までの剪定方法を捨て、新しい剪定方法を7件の農家で取り組んでいる。
新しい剪定方法、それは完熟栗を育てるということ。完熟栗とは、木に蓄えられたデンプンが栗に貯まりきった状態のことをいい、イガを残したまま栗だけ自然に落ちる。栽培方法によっては完熟率を上げることができ、その研究と栽培に取り組んでいるのだ。
「栗の味は風味が一番。風味を良くするためには、どれだけデンプンが貯えられるかが勝負。完熟栗で『石畳』という名前も広めたい。石畳でしかできない独自の栽培方法をあみだし、大きく風味豊かな『石畳栗』を生み出したい。」と語る山田さんから、栗に対する熱い想いが強く感じられた。
付加価値がつけやすく売りやすい栗は、安定した収入や雇用にも繋がる。いま、ここ石畳では、可能性を秘めた熱い栗のドラマが始まっている。
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